2025/6/30 16:40
C値0.05の家?超高気密住宅の気密測定が難しい理由
C値0.1の超高気密住宅
秦野市で進行中の新築住宅の現場で、断熱気密工事が終わったため「気密測定」を行いました。
結果はこちら、
モニターの「C=0.1cm2/m2」と表示された部分が気密性能を表しており、今回の測定結果は「C値0.1」となりました。
C値の単位はcm2/m2と表記されますが、これは家全体に存在している隙間面積を延床面積で割ることで計算されます。
具体的な計算方法は、総相当隙間面積αA ÷ 実質延べ床面積S = C値、という計算式になります。
今回の住宅に当てはめると、αA値15cm2 ÷ S値107.62m2 = C値0.139…cm2/m2、という数値が算出されます。
なお、気密測定のルールでは、小数点第二位を四捨五入してC値を計算しますので、C値0.139…=0.1となります。
実質のC値は0.05?
実はこの気密測定の結果は、わざと隙間面積を増やして測定したものです。
写真にあるように、青いプラスチックの板に1cm2の穴を10個開けて、10cm2分の隙間を意図的に増やした状態で測定したものでした。
つまり、先ほどの測定結果の隙間面積αA15cm2から、わざと開けた隙間の10cm2を引いて、実質的な隙間面積は5cm2となります。
この隙間面積をもとに計算した、5cm2 ÷ 107.62m2 = C値0.046…cm2/m2、という数値が実質的なC値になります。
つまりこの家のC値は0.05、小数点第二位で四捨五入すると「C値0.0」というレベルの気密性能だといえるのです。
超高気密住宅での気密測定の難しさ
「なぜわざわざ穴を開けて測定するのか?」
「普通に測定すればいいのでは?」
そう思われるかもしれませんが、実は超高気密住宅ならではの悩みがあります。
気密測定を行う際に、気密性があまりに高すぎると、屋外で風が吹いているだけでエラーが出てしまい、測定不能となってしまうのです。
実際に、この日も少し風が吹いていたため、通常の測定で5回ほど試しましたが、すべてエラーとなってしまい、隙間を開けた状態で測定して、ようやく結果が出てくれました。
このように隙間面積αAが10cm2を下回るような超高気密住宅では、気密測定器の測定範囲を超えてしまい、エラーなく測定することが難しいのです。
そのため、わざと穴をあけて、気密測定器の測定範囲の下限である10cm2を超えた隙間を用意して、気密性能を確認する場合があります。
数値にこだわりすぎない家づくり
今回の住宅では、実際に測定した数値は「C値0.1」だったので、この数値が正式な気密性能となります。
弊社では、全棟で気密測定を実施していますが、おおむねC値0.2前後となるケースが多く、今回の気密性能は非常に良い結果となりました。
しかし、これから家を建てる皆様に知っておいてもらいたいのは、C値は0.5以下であれば、特に問題ないということです。
もちろん、数値が良いに越したことはありませんが、施工精度以外の部分でもC値は変動しますので、0.1のレベルまで数値を追い求める必要はありません。
具体的には、玄関ドアに引き戸を採用すると気密性が低下したり、引き違いサッシの気密性が少し悪かったり、納品されたサッシによっても少し漏気することがあります。
C値0.5以下であれば、断熱性能もしっかりと発揮されますし、計画換気も機能するので、数値にこだわりすぎて、玄関ドアやサッシの選択肢を狭める必要はないと思います。
気密性能が重要視される理由としては、隙間風が入らないことと、壁体内の意図しない隙間によって、結露が生じないことが挙げられるため、しっかりとした施工精度で気密性が確保されていれば、安心していただいて問題ありません。
これからも、弊社では一棟一棟、丁寧な施工を心がけて、高気密高断熱住宅をお引渡ししていきます。
今回の気密測定の詳しい内容や、高気密住宅の計画換気について、もっと知りたい方はぜひお気軽にお問い合わせください。




