2026/3/26 9:00
建築探訪 「クリスタルビュー」 谷口吉生
葛西臨海公園にある展望レストハウス「クリスタルビュー」を見に行きました。
※クリスタルビューのファサード
このクリスタルビューは美術館建築の名手、谷口吉生による設計で築30年以上が経過したとは思えないほど現代的でシャープなデザインとなっています。
まっすぐに伸びた白い鉄骨とガラスが織りなす建築は、どこか軽快で透明感を感じさせる美しさを備えています。
※駅側から見たクリスタルビューの全容
建物自体の大きさはかなりの規模であるにもかかわらず、過度に主張することなく周辺環境にうまく馴染んでいます。
これは谷口吉生の特徴である、舞台装置に徹したような上品で控えめなデザインによるもので、数多く残した美術館建築においても同様の印象を与える建築が多いです。
南側に広がる芝生の広場と、その先の東京湾まで見通せる眺めは、まさに展望レストハウスの名前の通りです。
内部まですっきりと整った印象で、写真にはありませんが、白の鉄骨とタイル目地まで揃えてあり、こういったディティールのこだわりが、端正な印象を与えているのだと思いました。
展望エリアでは、ベンチに腰掛けた際に天井高が高すぎて落ち着かない印象を与えないようになのか、天井に白い幕がかかっており、意図的に天井を低く抑える設計となっていました。
これは、建物の端に設置されている大型ダクトからの気流を感じさせないための工夫かもしれませんが、いずれにしても、直線で構成されているなかで幕の柔らかい曲線を用いた設計意図が興味深いと感じました。
同じパターンの鉄骨部材が連続することで、進んでいくなかにリズムが生まれ、またその鉄骨の落とす影が、建物内部に陰影を作り出すこともよいアクセントになっています。
南側から見たクリスタルビューには地下があり、カフェを運営しているほかにバーベキューができるようでした。
また、こちら側から見ると、下から見上げる形になるため、より大きく存在感が感じられました。
芝生の広場ではテントを張ってキャンプする人やキャッチボールをする人などでにぎわっていました。
葛西渚橋という吊り橋を渡った先は「西なぎさ」エリアで、干潟が広がっており水鳥などのバードウォッチングを楽しむ人たちが大勢カメラや双眼鏡を構えていました。
この干潟は、かつて埋め立てなどでなくなってしまった自然環境を再生させるために整備された人工なぎさで、東京湾の水生生物や水鳥の棲み処の保全が行われており、2018年にはラムサール条約にも登録されています。
こういった取り組みについては、クリスタルビュー内部にも展示がありますので、興味がある方はぜひご覧ください。
次回は、葛西臨海公園の敷地内にある水族館「葛西臨海水族園」のガラスドームも見てきましたので、そちらのレポートを書く予定です。
どちらも魅力的な建築物ですので、ぜひ一度訪れてみてはいかがでしょうか?













