2026/3/18 9:00
基礎断熱は「床ガラリ」が必須です
近年、住まいの気密性を高める優れた工法として「基礎断熱工法」を採用されるケースが増えています。
しかし、基礎断熱を採用する際に忘れてはならない重要なパーツがあります。
それが「床ガラリ」です。
床ガラリとは、フローリングに設置する小さな通気口で、基礎断熱の住宅には必須の部材です。
今回は、なぜ基礎断熱には床ガラリが必須なのか?その理由を説明します。
住宅の床下空間はどうなっている?
そもそも、現在の新築住宅の床下空間はどうなっているのかご存じでしょうか。
昔の家は床下を覗くと地面(土)が見えていましたが、現在の家の床下空間はすべて基礎コンクリートで覆われています。
※基礎コンクリート
この基礎コンクリートでできた床下空間には、水道の給排水管などが施工されます。
※給排水管の施工後
その後、基礎コンクリートの上に、「土台」という木材を組み、その上から床合板を貼っていきます。
※土台施工後
※床合板施工中
この床合板を貼った上から、フローリングや畳を敷くことで、皆さんが普段歩いている「家の床」が出来上がります。
ちなみに、土台などの木材が緑色なのは、防蟻剤を塗ってあるかが分かるように着色してあるだけなので、ご安心ください。
床下の空気は屋外?それとも屋内?
さて、このように作られている床下空間は、家の外なのか、中なのか?どのような扱いになっているかは、採用する断熱工法によって変わります。
・床断熱の場合、床下は「屋外」
床断熱は、土台と土台の間に断熱材を施工し、床合板のすぐ下に断熱材がある工法で、床下の基礎コンクリートは断熱されません。
そのため、基礎と土台の間に「基礎パッキン」などで隙間を作り、床下に外気を取り込んで通気させることで、外と同じ空気を流して基礎から放出される湿気を取り除き、木材の腐朽を防ぐ工法になります。
・基礎断熱の場合、床下は「屋内」
基礎断熱は、先ほどの写真がまさに基礎断熱工法の物件ですが、基礎コンクリートに断熱材を施工して、床下の基礎コンクリートから熱が逃げないように断熱する工法です。
そのため、床下の空気は室内と同じ扱いになるため、床下に外の空気を通気させることはなく、基礎と土台の間に「気密パッキン」などで隙間を設けないように気密施工する必要があります。
基礎断熱の床下を通気させる「床ガラリ」
基礎断熱では床下に外気が入らないため気密性が高い反面、何もしないと床下空間は「空気が淀む」ことになってしまいます。
基礎コンクリートからは新築後しばらくの間、湿気が放出されることになるため、この湿気が溜まってしまうとカビや結露の原因となってしまいます。
そのため、室内と床下の空気を循環させるための「通気口」として、「床ガラリ」を設置することが必須になるのです。
※フローリングに設置した「床ガラリ」
基礎断熱を採用しているけど床ガラリがない場合には、どのように床下の空気を循環させているかを確認するようにしましょう。
「床ガラリ」をつけなくてもよい場合
「床ガラリがあると物が落ちそう」「見た目をすっきりさせたい」という理由で、床ガラリの設置をためらう方もいるかと思います。
もし、床ガラリをつけたくない場合には、他の方法で床下に空気の流れを作ってあげる必要があります。
・ダクト式第一種換気の採用
もっとも一般的な方法としては、24時間換気システムにダクト式の第一種換気を採用して、床下まで給気・排気のダクトを配管することで、24時間換気の換気ルートに床下を含めて空気を強制的に入れ替えることが可能となります。
この方法は、一般的な24時間換気システムである第三種換気よりもコストがかかるため、費用やメンテナンス性を含めてよく考える必要があります。
他の方法は、床下空間と1階の天井裏をつなげて、1階天井(または2階床)にガラリをつける方法なども考えられますが、この場合は省令準耐火構造の住宅では採用が難しいなど、一般的とは言えない方法になりますので、やはり基礎断熱には床ガラリをセットで考えておくのがよいと思います。
「床ガラリ」を積極的に活用する
「基礎断熱は床ガラリをつけなきゃいけない」という消極的な考えから、「床ガラリを使って、より快適な空調方法を採用する」という積極的な活用方法もあります。
それが、いま全国的に広まっている「床下エアコン」という空調方法です。
床下エアコンとは、基礎断熱された床下空間にエアコンの暖気を送り込み、床ガラリから暖気が吹き出してくる暖房方法です。
足元のフローリングが暖められることで、床面全体が暖かい床暖房のような快適性を実現できるのです。
エアコンの気流は、床ガラリから吹き出してくるだけなので、エアコン特有の風が直接体に当たる不快感を覚えることなく、家全体を暖めることができます。
まとめ
基礎断熱を採用する場合、床下の空気をどう動かすかが住まいの耐久性や快適性を決めます。
何も考えずに密閉して空気を停滞させてしまうのか、しっかりと床ガラリは設置してあるのか、それとも床下エアコンなどを積極的に活用するのか。
普段は見えない床下空間ですが、適切な対策が取られていなければ、住まいの寿命を縮める結果となってしまいます。
ぜひ、依頼先の住宅会社にどのような対策をとっているのか確認するようにしましょう。






