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2020/9/19 9:00

断熱グレードはHEAT20 G2が推奨基準

断熱性能はどこまで求めるべきか


近年、新築住宅を検討する際に必ず耳にする「断熱性能」「高断熱」という言葉。
断熱性能は目に見えない分、どれくらいの性能値を求めればいいか分からない方も多いと思います。

住宅会社のホームページやカタログでは、「断熱等級4」「ZEH基準」などのうたい文句が踊っていますが、この断熱性能がどの程度のレベルなのか、説明がないケースがほとんどです。
これでは、本当にこのレベルの断熱性能で十分といえるか、お施主様には分かりません。


国の定める断熱基準は低すぎる


現在、国が定めている基準では断熱等級4が最高ランクになっていますが、これを満たせば高断熱住宅なのかと言われると、それは全く違います。
なぜならこの断熱等級4は、本来であれば2020年に適合義務化が予定されていた水準に過ぎないからです。

つまり、断熱等級4は断熱性能の最高ランクでありながら、「建築許可が下りる最低限のレベル」として国が適合義務を検討している性能ということです。

なお、この適合義務は、断熱性能がそのレベルに達していない工務店や住宅会社が多いことから、お施主様に断熱等級4を満たしているか説明しなければならない「説明義務」に格下げされて2021年より施行される予定です。


断熱性能の推奨基準はHEAT20 G2グレード


では、新築住宅を考える際に求めるべき断熱性能は、どの程度の水準になるのでしょうか。
渡辺工務店では、最低基準を「ZEH基準」とし、推奨基準を「HEAT20 G2」としています。





図中の、改正省エネ基準(H28基準)などは、断熱性能のほかにいくつかの省エネ性能を定めた基準となっています。
断熱性能としては、H28基準とH11基準が断熱等級4を指します。
H4基準が断熱等級3、S55基準が断熱等級2、それ以下が断熱等級1になります。

また、現在の断熱性能はUA値という数値で表し、低ければ低いほど熱を通しにくい断熱性能の良い住宅となります。
ある程度の断熱性能までならば、あまり大きなコストアップにならずに性能を向上させることができるので、新築を検討の方は一つでも上のグレードを目指すことをおすすめします。
一つの目安としてはUA値=0.5を切る程度まで断熱性能を上げれば、高断熱住宅として十分な性能と言えるのではないでしょうか。


お金をかけるべきは断熱性能から


新築住宅のオプションといえば、キッチンや内装のグレードアップというイメージがありますが、弊社では断熱性能の向上を最初に検討することをおすすめしています。
断熱性能を上げることで、夏涼しく冬温かい家になるだけでなく、毎月の光熱費の削減にもつながるため、初期コストが増えても長期的にはお得になることが多いからです。

実際のアンケートで、住み始めてからの後悔で一番多いのが光熱費の高さですが、後からの改修は難しくお金も多くかかってしまいます。
今後リフォームのチャンスがある設備機器やインテリアにお金をかける前に、断熱性能への投資を検討してみてはいかがでしょうか。

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